経営計画

ヤマトグループ2017~2019年度中期経営計画「KAIKAKU 2019 for NEXT 100」

2017年9月、ヤマトグループは、2019年の創業100周年に向けた中期経営計画「KAIKAKU 2019 for NEXT100」を策定しました。

この中期経営計画は「2025年のありたい姿」に向けて、「働き方改革」を経営の中心に据え、「デリバリー事業の構造改革」、「非連続成長を実現するための収益・事業構造改革」、「持続的に成長していくためのグループ経営構造改革」の3つの改革を断行することで、次の100年もヤマトグループが持続的に成長していくための経営基盤の強化を目的とするものです。

当中期経営計画の最終年度となる2019年度は、連結営業収益1兆6,700億円、連結営業利益720億円(連結営業利益率4.3%)の達成を目指します。

目次

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プレゼンテーションの説明

  • ヤマトグループ中期経営計画
    2017-2019

  • 「DAN-TOTSU経営計画2019」の振り返り

    ・リリースの通り、5つの項目にまとめましたが、皆さまもご存知の通り、ヤマトグループはEコマースの急伸による小口貨物の増加や労働需給の逼迫に当社の体制構築が追い付かず、第一線の社員の労働環境が悪化するという、大変大きな課題に直面しました。
    ・そこで、当社は2019年に創業100周年を迎えるにあたり、それまでに体制を作り直して、さらに次の100年に向けていかに成長していくか、という内容を今回の中期経営計画に盛り込みました。
    ・本日はその具体的な取り組み内容を説明させていただきます。

  • 事業を取り巻く環境変化

    ・当社はこれまで、1976年に開始した「宅急便」を成長モデルとして、発展を続けてきました。
    ・しかしながら、私たちを取り巻く外部環境は、これまでにないスピードで変化を続けています。
    ・冒頭にもお話した通り、消費者行動が多様化し、ECが個人の生活だけでなく企業間取引まで急速に拡大しています。この流れは今後も続くことが予想されます。また、労働力人口の減少や地域格差の拡大、新技術の急速な発展など、加速度的に進捗する環境変化にも、しっかりと対応していく必要があります。

  • ヤマトグループが解くべき課題と解決の方向性

    ・これらを踏まえ、今後、私たちが取り組むべき、2つの大きな課題を整理しました。
    ・1つ目は今後さらに伸張するEコマースに対応しながらも、働き方改革を実現できる、持続可能な配送モデルを確立することです。
    ・この課題に対して、当社は中期的な取り組みとして、ネットワークをはじめとした構造改革を実行し、デリバリー事業を再成長の軌道にのせて、しっかりと収益を残せるようにすること、そして、今後ますます伸張してくECに対応する輸送力の拡大と、サプライチェーン全体に対する配送だけではない付加価値を提供していくことです。
    ・そして2つ目は、従来の宅急便であった「モノを運ぶ」というサービスにとどまらない、生活や事業における新たな付加価値の創出を図っていくことです。
    ・この2つの課題に対して、当社は長期的な取り組みとして、生活者・中小企業のお役に立てる事業を生み出していくと同時に、国内外の法人向け事業の拡大を図ってまいります。

  • 2025年のありたい姿

    ・私たちヤマトグループは、社会的インフラ企業としての責任を持ち、イノベーションを通じてより便利で快適なサービスを提供し、お客様の豊かな社会の実現に貢献をしたいと考えています。
    ・今回の中期経営計画の策定にあたり、ヤマトグループが「2025年のありたい姿」を新たに設定しました。
    ・それは、『輸送を起点』に、『地域社会』や『国内外の企業』との接点とそこで得られる情報を強みとし、『オープンなプラットフォーム』を構築することで、『新たな価値』を創出する、というものです。
    ・私たちは今後、物流とそこから得られる情報を一体化し、モノを運ぶ対価だけでなく、社会コストの低減や、情報を活かした最適な物流の仕組みの提供を通じ、お客様に対して新たな付加価値を提供していきたいと考えています。

  • ヤマトグループ中期経営計画
    KAIKAKU 2019 for NEXT100

    ・そこで、今回の中期経営計画を「KAIKAKU2019 for NEXT100」としました。
    ・当社が持続的な成長を続けていくために、ワークスタイルの再構築に加えて、これまでの計画の延長としてではなく、次なる100年の成長につなげる事業と経営の抜本的な構造改革に取り組みます。
    ・今回の中期経営計画の期間は、そのためのしっかりとした経営基盤を構築する期間と考えており、このネーミングにその想いを込めました。

  • 「KAIKAKU 2019 for NEXT100」の全体像

    ・「KAIKAKU2019 for NEXT100」では、「働き方改革」を経営の中心に据え、同時に3つの構造改革、「デリバリー事業の構造改革」「非連続成長を実現するための収益・事業構造改革」「グループ経営構造改革」を実行していきます。
    ・併せて、近年急速に進んでいるデジタル・イノベーションへの対応やガバナンスを強化していきます。
    ・創業100周年を迎える2019年までに、これら改革をしっかりと断行し、次の100年もグループが持続的に成長していくための経営基盤を構築していく所存です。

  • 全員経営を実践するための「働き方改革」

    ・まず「働き方改革」では、「働きやすさ」と「働きがい」を実現するために、3つの重点施策、すなわち『新たな働き方の実現』『「個の力」の最大化』『徹底的なオペレーションの効率化』を実行していきます。
    ・1つ目の『新たな働き方の実現』では、ライフステージに応じた自分らしい働き方を選択でき、多様な人材から選ばれる魅力のある人事制度を構築することにより、労働力の確保を目指します。また、総労働時間の抜本的な改善として、この3年間でフルタイマーの超勤時間の50%削減、またパートタイマーの超勤時間の抑制を目指します。
    ・2つ目の『「個の力」の最大化』では、自主性自律性が評価され、社員がイキイキと働ける制度や教育体系をつくり、多様な人材が活躍できる職場環境を構築します。そして、ヤマトグループの強みである「全員経営」をさらに浸透させます。
    ・そして、3つ目の『徹底的なオペレーションの効率化』では、最新のテクノロジーを活用した取り組み、すなわち「オープン型宅配便ロッカー」や現在トライアルしている「8次NEKOシステム」などにより、効率化を推進します。また、オープンイノベーションの考え方のもと、外部の知見を取り入れ、ロボットやAIなどの技術を使った効率化も図ります。
    ・こうした「働き方改革」の実現のため、この中期経営計画で費用として1000億円を投じる予定です。

  • 改革1.デリバリー事業の構造改革~収益力の回復

    ・「3つの構造改革」の1つ目は『デリバリー事業の構造改革』です。この図は、今後デリバリー事業がどのように成長していくのかを表したものです。ポイントは大きく2つあります。
    ・1つは宅急便の個数ですが、現在進めている大口法人荷主様との交渉により、2018年迄は一時的に取扱数量が減少しますが、デリバリー事業の構造改革を進めることで集配キャパシティを拡大し、それ以降は数量の増加に対応出来る体制を整えていきます。
    ・2つ目は営業利益ですが、現在進めているプライシング戦略も含め、デリバリー事業の構造改革を進めることにより、来年度以降は収益力を回復させ、再び成長軌道にのせていきます。また持続的な成長をしていくために、人材とネットワークへの投資はこれまで以上に積極的に行っていきます。

  • 改革1.デリバリー事業の構造改革

    ・デリバリー事業の構造改革は、大きく3つあります。
    ・1つ目は、「持続的な成長を可能とする事業構造の再構築」です。
    新たな集配戦力を適材適所に取り入れ、ECの急伸に対応し、持続的成長を可能とする新たな「複合型ラストワンマイルネットワークの構築」や、グループ各社が保有する幹線輸送の機能を集約し、効率化を進める「幹線ネットワークの構造改革」を行います。この2点については、後程詳しくご説明します。
    ・そのほか、コンビニや「オープン型宅配便ロッカー」をはじめ、お客様のライフスタイルの多様化に対応したタッチポイントを拡充し、自宅外での受取り比率を10%にまで伸ばしていきます。
    ・2つ目は、「プライシング戦略と徹底的な事業効率化による利益率の回復」です。契約運賃の決定プロセスにおいて、出荷量だけでなく、不在率や燃料費などの外部環境コストを組み込んだプライシングのシステムを確立します。継続的に、外部環境変化に応じた適正なプライシングで、恒常的に利益を生み出す構造に作り変えます。
    ・3つ目は、「地域の課題を解決する基盤の構築」です。新たな成長の柱として、「モノを運ぶ」ことにとどまらない、地域と共に成長できる生活支援や地域事業者の成長を支援する事業やサービスを創出してまいります。

  • 改革1.デリバリー事業の構造改革

    ・続いて、先程ご説明した新たな「複合型ラストワンマイルネットワーク」について基本的な考え方をご説明します。
    ・従来の対面でお客様と接しながら、宅急便の集荷・配達・営業などを行う「多機能型ドライバーネットワーク」に加え、主に投函商品や、夕方から夜間にかけて宅急便の配達を行う「配達特化型ドライバーネットワーク」、大口顧客の商材や大型の荷物を扱う「域内ネットワーク」など、パートナーを含めた複合型ネットワークの整備を進め、成長を続けるECに対応しながら、適正な利益を生み出すことが出来るネットワークに再構築します。
    ・特にニーズが高い、夕方から夜間にかけての配達特化型ドライバーを新たに1万人規模で導入するなど、今後さらに伸張するECにおいて、しっかりと利益が確保できる配達体制を構築してまいります。

  • 改革1.デリバリー事業の構造改革

    ・一方、幹線ネットワークでは、関東、中部、関西という大消費地圏に配置した総合物流ターミナル「ゲートウェイ」を活用した、多頻度・循環型運行や折り返し運行、また、新たなトレーラなどの導入により、これまで以上にスピーディーかつ高効率な輸送を実現させてまいります。
    ・また、これまでグループ内で重複していた機能を集約し、効率化することで、グループネットワークの全体最適を実現します。

  • 改革2.非連続成長を実現するための収益・事業構造改革

    ・続いて、2つ目の改革「非連続成長を実現するための収益・事業構造改革」について、ここでは、スピード輸送ネットワークに付加価値機能を加える「バリュー・ネットワーキング」構想をさらに進化させてまいります。
    ・これまで構築してきた羽田クロノゲートや各ゲートウェイ、あるいは沖縄国際物流ハブ・サザンゲートといった主要基幹ターミナルと、アジアを中心としたグローバルネットワークを有機的に結び付け、お客様により一層価値の高い物流改革を提供してまいります。
    ・また、これまでは各事業会社が個々に機能を提供していた営業スタイルを、アカウントマネジメントの強化によって業界ごとのプラットフォームを構築するスタイルに変えていきます。

  • 改革2.非連続成長を実現するための収益・事業構造改革

    ・この業界プラットフォームについて、少し具体的に説明します。
    ・この仕組みは、「バリュー・ネットワーキング」構想のコンセプトにある、「法人向け事業領域の拡大」です。
    ・B2B、B2Cのサプライチェーンそのものが、デジタルイノベーションの急速な進化を背景にして大きく変化してきています。
    ・特に中小規模の法人にとつては、この変化に対応していくことが重要であり、今後は大手を中心とした、デジタルトランスフォーメーションの動きも、さらに加速すると考えています。
    このプラントフォームは大きく3つのパートで構成されます。
    ・1つめは、ロジ拠点とそれをつなぐ運行とラストワンマイルネットワークで構成される物理的な物流基盤です。これはさらにフォワーディング機能を介して、海外の物流基盤、ネットワークにつながっていきます。
    ・2つめはこの物流基盤をコントロールする、輸配送管理システム(TMS:Transport Management System)や倉庫管理システム(WMS:Warehouse Management System)などで構成される、ロジスティクスマネジメントシステムの情報基盤で、ここで蓄えられた情報が我々のビッグデータのベースとなります。
    ・3つめが、この基盤の上に展開される、業界ごとの特性を生かした、業界アプリケーションです。
    このプラットフォームを、アカウントマネジメントを通じ、業界を代表するプレーヤとともに構築し、中小の法人に提供していくことで事業成長を図っていきます。
    (因みに、このプラットフォームは、企業の納品物流のバリューチェーンに対してのイノベーションにとどまらず、回収物流のバリューチェーンにも拡げていきます。)

  • 改革2.非連続成長を実現するための収益・事業構造改革

    ・また、グローバル領域では、これまで欧州・米州・東南アジア・東アジア・日本の5極間での小口輸送ネットワークの構築を進めてまいりましたが、今後はこれらをつなぐ一貫したクロスボーダーネットワークに強化していきます。
    ・さらに、これまで培った安心安全なクール宅急便の品質やノウハウをキラーコンテンツとして、高品質な「コールドチェーン・ネットワーク」をグローバル領域で展開していきます。
    ・今年2月に発行された世界初の小口保冷配送サービスである、国際規格「PAS1018」のISO化を目指すなど、ヤマトグループが持つコールドチェーン品質の標準規格化を推進していきます。
    ・こうした戦略を国内外でスピーディーに実行していくため、グローバル領域にもアカウントマネジメントを導入し、法人のお客様のバリューチェーンに合わせたソリューションをグループ一体で提供できる体制を目指します。

  • 改革2.非連続成長を実現するための収益・事業構造改革

    ・また、今後ますます伸張するECにおいても、ECバリューチェーンを一括で支援するフルフィルメントソリューションを提供していきます。
    ・ECの拡大にも対応可能な「複合型ラストワンマイルネットワーク」の整備に加え、事業別に散在しているEC関連機能を集中させ、事業の成長段階に合わせて必要とされる機能を提供するソリューションをグループ一体で提供し、この領域の成長とともに、当社の収益力を拡大してまいります。
    ・我々ヤマトグループが持つリソースはもちろん、必要な機能はアライアンスを最大限活用し、デリバリー以外の部分も含めた付加価値提供を通じて、この市場で利益を確保するプラットフォームを構築する考えでおります。

  • 改革3.持続的に成長していくためのグループ経営構造改革

    ・改革の3つ目は「持続的に成長していくためのグループ経営構造改革」です。
    ・構造改革を実現するために、ヤマトグループでは2016年1月から約40名の専任組織を立ち上げて取り組んできました。今後、実行フェーズに入るにあたり、5つの変革を進めてまいります。
    ・これまで、ヤマトホールディングスを持株会社とし、機能軸で分けられてきた現行のフォーメション体制を見直し、より顧客に向き合うために、アカウントマネジメントの考えを取り入れた顧客軸中心の組織へ変革します。
    ・また、グループ内で重複し、非効率となっていた経営資源(人・モノ・システム)を徹底的に効率化し、グループでの全体最適を実現する体制を目指してまいります。
    ・さらに、機能別投資を「R&D“+D”」機能の強化によって、最先端のデジタルテクノロジーを取り入れ、新たな事業の創出、既存事業の進化・革新を実現することに加え、デジタル・イノベーションに対して先手を打って機動的に対応していきます。
    ・同時にこれまでの自前主義からM&A、アライアンス、ジョイントベンチャーなどを積極的に行うオープン主義に変革することで、より高効率でスピーディーな経営を実践してまいります。

  • 改革3.持続的に成長していくためのグループ経営構造改革

    ・こちらは組織再編の大きな考え方です。
    ・リテール・法人・グローバルの各領域でそれぞれのお客様としっかり向き合い、お客様へのトータルソリューションの提供を通じてプラットフォーム構築を目指す顧客軸組織と、その顧客軸組織に最新のグループ機能を提供する機能軸組織の2軸体制への再編を検討します。
    ・アカウントマネジメントの強化と、IT、LT、FTの持続的な機能向上を両輪に、より総合力を発揮できる体制へと変革させます。

  • 経営基盤の強化

    ・続いて、経営基盤の強化に向けた、デジタル・イノベーションへの対応についてご説明します。
    ・当社を取り巻く経営環境の変化の中でも、「デジタルテクノロジーの加速度的な進化」は近年目を見張るものがあります。こうしたテクノロジーを適切に事業に取り入れていくことは、改革を遂行する上でも重要な取り組みと考えています。
    ・そこで、ヤマトグループは最先端のデジタルテクノロジーを取り入れ、新たな事業の創出、既存事業の進化・革新を実現するため「デジタルイノベーション推進室(YDIC)」という組織を今年4月に設置しました。
    ・この組織を通じて、①ビックデータの構築と活用、②コーポレートベンチャリングの活用とともに、③当社にとってDisruptiveな、すなわち脅威となるビジネスモデルの早期察知、対応策定を行ってまいります。
    ・こうした「デジタル・イノベーション」の対応のため、この中期経営計画で500億円の投資を行います。

  • 積極的な投資

    ・さて、今回の中期経営計画の投資計画ですが、計3,500億円の投資を予定しております。
    ・内訳は、大きく2つです。土地、建物、車両などに投資するネットワークへの経常投資と、働き方改革や外部企業とのアライアンスに使う成長投資です。

  • 数値計画

    ・最後に数値目標ですが、今回ご説明した改革を実行で、
    2019年度末で連結営業収益で1兆6,700億円、連結営業利益で720億円を達成します。
    ・そして、この中期経営計画をしっかりと遂行することで、先に触れた2025年のありたい姿の最終年度には、営業収益2兆円、営業利益率10%にまで到達できる企業へと成長させていく考えです。

    ・最後に、記者の皆様方をはじめ、社外の方々から「働き方改革と収益を両立することが可能なのか?」、あるいは「仮に両立出来たとして、これからEコマースなどの成長に伴って荷物が増えても、ヤマトは運ばないのか?」といったご質問を多くお受けしています。
    ・我々は「社会的インフラ」という信頼をいただいている企業の使命として、働き方改革に取り組みながら、荷物の増加にもしっかりと対応し、それによって収益も確保して社員や社会へ還元していくという方向性を、これからもしっかりと堅持していきたいと考えています。

  • 今後の成長イメージ

  • ヤマト運輸の働き方改革の全体像①

  • ヤマト運輸の働き方改革の全体像①

  • ヤマト運輸の働き方改革の全体像②

関連資料

ヤマトグループ中期経営計画書(PDF:328kB)

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