2017年10月31日
ヤマト運輸株式会社
株式会社日立製作所

ヤマト運輸が全集配車両に新たな車載端末を搭載
日立と連携し、運行データの利活用による
安全運転教育のさらなる高度化等に取り組みます

ヤマトホールディングス傘下のヤマト運輸株式会社(代表取締役社長:長尾 裕/以下、ヤマト運輸)は、ドライブレコーダーとデジタルタコグラフ*1を一体化した通信機能搭載の新たな車載端末*2を、2018年11月より、ヤマト運輸の全集配車両約36,000台に順次搭載します。さらに、株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:東原 敏昭/以下、日立)と連携し、運行データを幅広く効率的に収集・分析することにより、安全運転教育のさらなる高度化等に向けて取り組みを進めます。

*1 自動車の走行時間や走行速度などの運行記録を自動的に記録するシステム。

*2 日立のグループ会社であるクラリオン株式会社(執行役社長兼COO:川端 敦)の先進の車載技術を活用してヤマト運輸と日立が開発し、クラリオンが製造。

1.背景

近年、IoT(Internet of Things)の進展に伴い、さまざまな機器からデータの取得が可能となり、これらのビッグデータを活用して、業務効率の向上や新たなビジネス機会の創出など取り組みが加速しています。

ヤマト運輸は、「安全第一、営業第二」の理念のもと、人命の尊重を最優先し、常に安全の達成に努めるため、2010年からヤマト運輸独自の車載端末「See-T Navi」を導入しました。運転状況の見える化を図るとともに、安全指導の専門職である安全指導長がセールスドライバー(以下、SD)へきめ細かな安全教育等に取り組む中、最新のIoT技術を活用した安全教育のさらなる進化に向けて検討を続けてまいりました。

日立は、注力するIoTプラットフォーム「Lumada」の活用で培ったデータアナリティクスに関するノウハウや、人工知能技術Hitachi AI Technologyなどを組み合わせ、企業のデータ利活用に向けた取り組みを支援しています。

2.車載端末の特長

新たに搭載する車載端末は、従来デジタルタコグラフで収集していた速度や駐車位置情報などに加え、ドライブレコーダーで収集する走行映像やGPS*3アンテナから得た情報で作成する走行軌跡などの運行データをクラウド形態の情報基盤へ、通信回線を通じて自動かつリアルタイムに転送・蓄積します。また、ヒヤリハット体験箇所の登録の自動化や運転開始・終了設定の省力化、OTA(Over The Air)*4の対応による車載端末のソフトウェア更新の自動化も実現し、SDがより安全運転に注力できるよう、業務支援します。

ヤマト運輸は、日立と連携し、一元管理される運行データを可視化・分析することにより、安全指導長等がSDの運転特性をより具体的に把握し、一人ひとりの運転特性に応じた未然防止型の安全運転教育を実現するなど、安全・安心への取り組みをさらに強化します。

*3 GPS:Global Positioning System。全地球測位システムのこと。

*4 データの受信・同期の際の通信手段として、有線ではなく無線で行うこと。

3.今後について

将来的には、車両の故障予兆診断による整備計画の効率化、また、自治体や外部企業などとデータ連携し、たとえば収集した道路状況のデータを利活用するなど、新たな高付加価値ビジネスの創出に向けて、幅広く検討してまいります。

■今回の取り組みの概要

■今回の取り組みの概要

* OTAセンターは、日立グループのクラリオン株式会社が運用。

■Hitachi Social Innovation Forum 2017 TOKYOでの紹介について

今回発表した、ヤマト運輸および日立の取り組みは、日立が2017年11月1日(水)〜2日(木)に、東京国際フォーラムで開催する「Hitachi Social Innovation Forum 2017 TOKYO」において、紹介します。
http://hsiftokyo.hitachi/

■ヤマト運輸のウェブサイト

■日立の製造業・流通業向けソリューションに関するウェブサイト

以上