四国交通株式会社(代表取締役社長:平野 正治、以下「四国交通」)とヤマトホールディングス傘下のヤマト運輸株式会社(代表取締役社長:長尾 裕、以下「ヤマト運輸」)は、本年11月1日より、過疎化や高齢化が進む山間地域におけるバス路線網の維持と物流の効率化による地域住民の生活サービス向上を目的として、徳島県三好市内を運行する路線バスで徳島県内初となる「客貨混載」を開始しますのでお知らせします。
記
徳島県三好市の西祖谷・東祖谷地区は、この20年間で人口が約56%減少し、過疎化が進んでいます。高齢者を中心とした山間地域の住民の方々にとって、通院や買い物などに利用する路線バスは生活するうえで欠かせないインフラであり、高齢化が顕著になる中、路線バスのネットワークを維持することは、地域における重要な課題となっています。
四国交通は阿波池田バスターミナルを中心に、大阪・神戸への高速路線バスをはじめ、三好市や三好郡東みよし町でローカル路線網を広げており、その中で山間地域における路線網の維持が課題となっていました。
一方、ヤマト運輸は、全国の自治体や企業と連携し、地域の活性化や課題解決を図る「プロジェクトG(Government)」を推進しており、路線バスによる「客貨混載」に全国各地※で取り組んでいます。今回取り組みを開始する三好市では、セールスドライバー(以下SD)の移動距離が長く業務負荷が大きいため、より効率的なネットワークの構築を模索していました。
このたび両社は、地域の活性化を図りながら、それぞれの課題の解決を目指して、路線バスによる客貨混載を開始します。
※ 客貨混載は岩手県(2015年6月〜)宮崎県(2015年10月〜)北海道(2016年9月〜)熊本県(2016年10月〜)兵庫県(2017年6月〜)長野県(2017年10月〜)和歌山県(2017年10月〜)の各地域で実施しています。また、実験的な取り組みとして、愛知県豊田市(2017年8月〜)奈良県(2017年9月〜)の各地域で実施しています。
路線バスで宅急便を輸送するため、座席の一部を荷台スペースに改造した車両を、四国交通本社から祖谷地区の間で運行します。ヤマト運輸のSDが、西祖谷地区と東祖谷地区へお届けする荷物を、四国交通本社でバスに積み込み、西祖谷中学校前バス停と和田上バス停で、各地域を担当するSDに引き渡します。このバスは「両社のつながりで住民の方々のお役にたち、地域全体を明るい未来へつなげたい」という思いを込めて「つながる未来バス」と名付け、客貨混載専用のバスとわかるような方向幕、看板などを施す予定です。
「つながる未来バス」
バスの座席を改造した荷台スペース
「つながる未来バス」運行路線
運用フロー
地域のバス路線網が維持され、安定的に路線バスを利用できることで、病院やスーパーなど多様な施設へアクセスでき、生活基盤の維持・向上につながります。また、ヤマト運輸のSDが集配地域に滞在できる時間が増えるため、当日発送の集荷締め切り時間延長されるなど、宅急便のサービスをより便利にご利用いただけるようになります。
路線バスの空きスペースで宅急便を輸送することで、バス路線網の維持につながる新たな収入源を確保することができます。
移動時間が大幅に(約1.5時間)削減でき、集配効率が向上し休憩時間が取りやすくなるなど、働く環境の改善が見込まれます。また、SDが集配地域に滞在できる時間が増えるため、お客さまからのご要望に対しても柔軟にお応えできるようになります。さらに、1日のトラック走行距離を約100km削減することができ、燃料費やCO2排出量の削減にもつながります。
客貨混載の開始にあたり「出発式」を行いますので、ぜひご取材ください。
・日時:11月1日(水)13:30〜
・場所:四国交通 本社前バス停(徳島県三好市井川町西井川311-2)
・参加者:
四国運輸局 | 交通政策部長 | 中本 隆さま |
徳島運輸支局 総務・企画観光部門 首席 | 森 睦義さま | |
徳島県 | 県土整備部次長 | 桑村 光明さま |
三好市 | 企画財政部長 | 中村 博さま |
四国交通 | 代表取締役社長 | 平野 正治 |
常務取締役 | 近藤 幸男 | |
ヤマト運輸 | 執行役員四国支社長 | 酒井 敏光 |
徳島主管支店長 | 石澤 敦司 |
・プログラム:主催者挨拶、テープカット
以上