ヤマトホールディングス株式会社(本社:東京都中央区 代表取締役社長:山内 雅喜 以下:ヤマトホールディングス)は、2019年の創業100周年に向けた中期経営計画「KAIKAKU 2019 for NEXT100」を策定しました。
この中期経営計画は「2025年のありたい姿」に向けて、「働き方改革」を経営の中心に据え、「デリバリー事業の構造改革」、「非連続成長を実現するための収益・事業構造改革」、「持続的に成長していくためのグループ経営構造改革」の3つの改革を断行することで、次の100年もヤマトグループが持続的に成長していくための経営基盤の強化を目的とするものです。
当中期経営計画の最終年度となる2019年度は、連結営業収益1兆6,700億円、連結営業利益720億円(連結営業利益率4.3%)の達成を目指します。
記
これまでヤマトグループは、「荷量の増加による規模の経済の追求」、「全国一律のサービス提供」、「宅急便を中心に据えた各種事業の展開」による成長を目指してきましたが、「労働力人口の減少」「人口減少と地域格差の拡大」、「生活と嗜好の多様化」、「事業活動のグローバル化」、「新技術の急速な発展と普及」など、大きな環境変化に直面しています。今後、この課題を解決するため、中・長期的に4つの取り組みを進めていきます。
【課題1:中期の取り組み】
消費行動が多様化し、ECが生活および企業間取引に拡大する中、働き方改革を進めつつ、持続可能な配送モデルを確立する。
【課題2:長期の取り組み】
従来の宅急便を超えて「生活における付加価値、事業のサプライチェーンにおける付加価値」を創出する。
今回の中期経営計画の策定にあたり、ヤマトグループの長期ビジョン「2025年のありたい姿」を新たに設定しました。
【2025年のありたい姿】
ヤマトグループは、『輸送を起点』に、『地域社会』や『国内外の企業』との接点とそこで得られる情報を強みとし、『オープンなプラットフォーム』を構築することで、『新たな価値』を創出する
中期経営計画「KAIKAKU 2019 for NEXT100」は、次の100年に向けて、ヤマトグループが持続的に成長していくための経営基盤強化を行う期間と位置づけ、以下の改革を断行します。
【添付資料4:「KAIKAKU 2019 for NEXT100」の全体像】
「働き方改革」を最優先の課題とし、グループ全体で「働きやすさ」と「働きがい」を構築し、ヤマトグループの原点である「全員経営」を実践します。
多様な人材から選ばれる魅力のある人事制度へ刷新することで、労働力の確保を目指します。
フルタイマー超勤時間の50%削減とパートタイマーの超勤時間の大幅抑制
労働時間・休日・給与体系を選択できる制度の構築
年次有給休暇の取得促進、勤務間インターバル制度の推進、育児支援策の拡充等
自主・自律が評価され、イキイキと働くことができる評価制度の導入や、教育体系を再構築することで、社員の経営参画意識を高め、誇りとやりがいを創出します。
階層別教育体系の構築や次世代リーダーの育成
オープン型宅配便ロッカー(PUDO)、8次NEKOシステムによる集配オペレーションの効率化、AIやロボット技術などテクノロジーをフル活用し、働きやすさの基盤となる業務の徹底的な効率化を実現します。
効率的なラストワンマイルネットワークの再構築と、継続的かつ適正なプライシング施策によって、デリバリー事業の集配キャパシティの拡大と収益力の回復を両立させます。
従来の宅急便の「多機能型ドライバーネットワーク」に加え、投函商品や特にニーズが高い夜間の配達を専門に行う「配達特化型ドライバーネットワーク」、また大口顧客の商材や大型の荷物を専門に扱う「域内ネットワーク」など、パートナーを含めた分業型・複合型ネットワークの整備を進め、伸張が続くECをはじめとする荷物の増量に対応します。
【添付資料6:新たな「複合型ラストワンマイルネットワーク」の構築】
オープン型宅配便ロッカー(PUDO)、コンビニエンスストアなど、受け取りのタッチポイントを拡充します。同時にクロネコメンバーズの機能拡充を進め、お客さまとの双方向コミュニケーションを強化することで、自宅外での受け取り比率10%を目指します。
グループ共通機能を集約し、ネットワークの全体最適を実現すると同時に、IT技術を活用した業務効率化を推進します。
契約運賃の決定プロセスを標準化するため、出荷量だけでなく、行き先、サイズ、集荷方法、不在率、また、燃料費や時給単価などの外部環境変化によるコスト変動等を組み込んだ「法人プライシングシステム」を確立し、恒常的に契約運賃を見直すことで、将来の環境変化にも柔軟に対応できる適正な運賃を設定します。
8次NEKOシステムによる集配オペレーションの効率化に加え、ベースのオートメーション化によるセンター別仕分けの実行など、最適なテクノロジーを導入し、事業全体を徹底的に効率化します。
グループの新たな成長の柱として、運ぶことに留まらない地域共創型の生活支援や、地域事業者の成長支援を行う事業基盤を構築します。
羽田クロノゲート、厚木・中部・関西の各ゲートウェイや沖縄国際物流ハブ、サザンゲートなど主要基幹ターミナルとアジアを中心に拡がるクロスボーダーネットワークを有機的に結び付け、スピード輸送ネットワークに付加価値機能を加える「バリュー・ネットワーキング」構想を更に進化させます。
B向けラストワンマイルネットワーク、海外ネットワーク、ロジスティクス拠点、フォワーディング機能などを融合させ、各業界向けのプラットフォームを構築します。
日本・東アジア・東南アジア・欧州・米州の5極間を繋ぐクロスボーダーネットワークと、コールドチェーンをキラーコンテンツに、お客さまのバリューチェーンを一貫して支援するクロスボーダープラットフォームを構築します。
上記を目指し、よりお客さまに近い立場でバリューチェーン全体の変革を支援するため、業界別営業組織および支援システムの構築を通じて、ヤマトグループならではのアカウントマネジメント・スタイルを確立します。
デリバリー事業の構造改革により実現する新たな複合型ラストワンマイルネットワークを活用し、集配キャパシティを拡大すると同時に、アライアンス等を含め、顧客の成長段階に合わせたECサプライチェーン全体への付加価値の提供を目指します。
グループの総合力を発揮し「稼ぐ力」を高めるため、今後、組織構造を改革し、アカウントマネジメント・管理会計・人事(評価)の三位一体の経営システムを刷新します。
最先端のデジタルテクノロジーを取り入れ、新たな事業を創出し、既存事業を進化・革新することに加え、既存ビジネスにとって破壊的となるモデルに先手を打って機動的に対応します。
2017年度〜2019年度 合計 | |
経常投資(※1) | 2,000億円 |
成長投資(※2) | 1,500億円 |
合計 | 3,500億円 |
※1:土地、建物、荷役機器、車両など
※2:デジタル・イノベーションや外部企業とのアライアンス、働き方改革など
連結数値目標
項目 | 2016年度実績 | 2019年度計画 | 2016年度差 | 2016年度比 | |
連結営業収益 | 1兆4,668億円 | 1兆6,700億円 | 2,031億円 | 113.8% | |
連結営業利益 | 348億円 | 720億円 | 371億円 | 206.4% | |
利益率 | 2.4% | 4.3% | 1.9% | 179.2% | |
ROE | 3.4% | 7.7% | 4.3% | 226.5% |
以上
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