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平成27年9月29日
総務省 情報通信審議会 郵政政策部会の最終答申に対する当社の見解について
ヤマトホールディングス傘下のヤマト運輸株式会社(本社:東京都中央区・代表取締役社長:長尾 裕、以下、ヤマト運輸)は、本年8月27日に総務省 情報通信審議会 郵政政策部会が発表した答申(案)「郵政事業のユニバーサルサービス確保と郵便・信書便市場の活性化方策の在り方」(平成25年10月1日付諮問第1218号)に対し、9月11日に総務省へ見解を提出しました。
しかしながら、9月28日に郵政政策部会が発表した最終答申「郵政事業のユニバーサルサービス確保と郵便・信書便市場の活性化方策の在り方」(平成25年10月1日付諮問第1218号)は、ユニバーサルサービスの範囲を明確にすることなく、日本郵便株式会社(以下、日本郵便)に対し、従前の優遇措置に加えてさらなる優遇措置を実施する内容となりました。
当社の見解が全く反映されない答申になったことを、大変残念に思います。
当社は、国民生活に不可欠なユニバーサルサービスの維持が、あらゆる経営努力によっても困難な場合、その範囲を明確にした上で、最小限の優遇措置を講じることはやむを得ないと考えています。
しかし、今般検討されている優遇措置は過度に広範なものであり、最小限の優遇措置とはいえません。
郵便事業におけるユニバーサルサービスは「信書の送達」に厳密に限定されるべきものです。
今回の答申でユニバーサルサービスとされている第一種から第四種郵便物までの内国郵便や国際郵便には、信書以外の貨物(非信書)の送達が混在しています。さらに、今回の答申は、既に公表されている昨年度の日本郵便の郵便事業が黒字である(※)にもかかわらず、従前の優遇措置に加えて更なる優遇措置を講ずるべきとしています。
これは、ユニバーサルサービスの確保という名目の下、非ユニバーサルサービスである貨物事業などの「その他事業」の大幅な赤字を補填するために、日本郵便に対する優遇をさらに強めることに議論をすり替えているといわざるを得ず、貨物(非信書)市場における公平で公正な競争条件(イコールフッティング)を著しく阻害するものであり、かつ、市場の活性化に逆行するものです。
当社は公平で公正な競争条件(イコールフッティング)こそが、各事業者の創意工夫を生み、国民の利便性を向上させ、ひいては日本経済全体の活性化につながると一貫して主張し、それを実践してきました。
今後も引き続き、関係各所ならびに総務省および日本郵便に対して、公平で公正な競争条件(イコールフッティング)の実現に向けた主張、ならびに提案を続けてまいります。
以上
※「日本郵便株式会社 業務区分別収支2014(平成26)年度」
https://www.post.japanpost.jp/notification/pressrelease/2015/00_honsha/0731_02_01.pdf
【参考資料】