平成25年9月11日
多機能スーパーハブ「羽田クロノゲート」を竣工
陸海空のスピード輸送ネットワークと高付加価値機能を一体化し「止めない物流」を実現
ヤマトホールディングス株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:木川 眞)は、価値を付加しながら国内外のネットワークをスピーディーに結節する「止めない物流」を実現させるための日本最大級の総合物流ターミナル「羽田クロノゲート(以下、CG)」を9月20日に竣工し、10月上旬に稼働いたします。
記
1.背景
近年、eコマース市場の拡大や、取引先や生産拠点の分散化・海外展開などに伴う物流のボーダレス化が進み、より速く、より安心に、より安く荷物を配送するニーズが高まっています。日本全国及びアジアで宅急便ネットワークを展開するヤマトグループでは、このようなニーズに応えるために、従来のように在庫を倉庫に滞留することなく、常に物が流れ続け、流れる過程で価値(「マージ」「医療機器の洗浄機能・メンテナンス」「修理」「保税・スピード通関」「オンデマンド印刷・封入」など)を付加しながら、国内はもとより、アジアとのネットワークをスピーディーかつシームレスに結節させるための総合物流ターミナル「羽田CG」を竣工します。
羽田CGは、発着同時仕分け、24時間365日稼働の高付加価値機能とスピード配送を一体化させることでリードタイムの短縮や在庫の極小化を可能とするとともに、荷物が流れる中で価値を付加する「止めない物流」を実現します。
ヤマトグループは「バリュー・ネットワーキング」構想(※)の下、今後は、全国、アジアに張り巡らせたラストワンマイル・ネットワークを生かしながら、羽田クロノゲートを中心に厚木ゲートウェイ(2013年8月11日稼働)、関西、中部のゲートウェイ(※)、沖縄国際物流ハブ(2012年11月利用開始)を有機的に結びつけることで、物流を「バリューを生み出す手段」に進化させ、業種・事業規模を問わない「物流の改革」を実現します。
※参考[1]:「バリュー・ネットワーキング」構想 5つのエンジン
※中部、関西は2016年までに稼働予定。
2.羽田CGの特長
(1) | 最新鋭設備機器と立地を活かした「陸海空のスピード輸送」を実現 |
羽田CGは、国際化した羽田空港に隣接し、近隣には、東京港や横浜港、JR貨物のコンテナターミナルなどの物流施設があります。さらに、首都高速とのアクセスも良いため、国内外を問わず陸海空の「マルチ輸送機能」の提供が可能です。厚木ゲートウェイ同様に、最新のマテリアルハンドリング機器(マテハン)を導入することで発着同時仕分けと省力化を実現。24時間365日の稼働が可能となり、荷物の発送・到着作業を同時に行うことで、受け手のニーズに合わせたジャストインタイムの輸送を実現します。 |
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(2) | 輸送と24時間365日稼働の付加価値機能の一体化で、飛躍的なスピードと効率化を実現 |
羽田CGでは、ヤマトグループ各社の機能の集約と輸入通関機能を保有しているため、緊急手術などでスピード配送が要求される医療機器の24時間洗浄・メンテナンス機能と航空便を組み合わせたリードタイムの短縮、必要な数のダイレクトメールを印刷可能なオンデマンドプリンター設備と送付先の個人属性や商圏に合わせた封入によるコスト削減、羽田空港に海外から到着する商品の輸入通関・ローカライズ作業の一体化によるスピード出荷などが可能になります。加えて、約200,000平方メートルのスペースを活用することで、国内外のサプライヤー等から調達する製品や部品を集約、同施設内で同梱作業を行い配達先毎にまとめて納品したり、組み立てや修理、品質確認等を施すことが可能となり、ヤマトグループの拠点と顧客間の在庫移動が不要となります。また、これらの付加価値が付けられた荷物は、各階をつなぐ「スパイラルコンベア」を使い、国内及びアジアの宅急便ネットワークと直結することで、「スピード出荷」「納品作業の効率化」が図られ、「止めない物流」を実現します。 ※参考[2]:「止めない物流」羽田CGの概念図 |
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(3) | 地域から信頼され、共存共栄を図るヤマトグループの企業理念に基づいた環境設備と、地域貢献ゾーン「和の里パーク」 |
環境設備として自然採光・自然換気を実施する為の「ボイド」を4ヶ所に設置。また太陽光発電、雨水再利用など最新の環境設備も導入。 地域貢献ゾーンでは、「和の里パーク」を併設し、地域社会へ貢献します。具体的には、障がい者の雇用と自立を支援するスワンカフェ・ベーカリーや、地域の方々にご利用いただく託児所、体育館のほか、里山を模した広場を配置し、子供たちや高齢者の方々の憩いの場所として、また災害時の避難場所として活用できます。 |
3.羽田CGの施設概要
名称 | 羽田クロノゲート |
所在地 | 東京都大田区羽田旭町11-1 |
延床面積/敷地面積 | 197,697.07m2(59,803.36坪)/98,872.87m2(29,909.04坪) |
構造 | 鉄骨造8階建 |
竣工/営業開始 | 2013年9月20日/2013年10月上旬 |
入居会社 | ヤマト運輸株式会社 ヤマトグローバルエキスプレス株式会社 ヤマトロジスティクス株式会社 ヤマトグローバルロジスティクスジャパン株式会社 ヤマトマルチメンテナンスソリューションズ株式会社 ヤマトパッキングサービス株式会社 ヤマト包装技術研究所株式会社 ヤマトホームコンビニエンス株式会社 ヤマトシステム開発株式会社 ヤマトフィナンシャル株式会社 ヤマトボックスチャーター株式会社 株式会社スワン 社会福祉法人ヤマト自立センター |
その他(環境対応設備・事業継続対応) | 太陽光発電、非常用発電設備、雨水再利用、一部LED照明、免震構造、BEMS(ビルディングエネルギーマネジメントシステム) |
4.羽田CGのパース図
【参考[1]】「バリュー・ネットワーキング」構想 5つのエンジン
(1) | 「スピードと付加価値機能を一体化」した多機能スーパーハブ「羽田・厚木・沖縄」の本格稼働 | |
→ | 価値を付加しながら素早くネットワークを結節する「止めない物流」 | |
(2) | 「まとめて預かり、最適化しながら複数個所に届ける」をネットワーク上で素早く、確実に遂行する「FRAPS」 | |
→ | 出荷場所・出荷形態・出荷量を問わない「クラウド型のネットワーク」 | |
(3) | 「国際クール宅急便」のスタート | |
→ | 世界初「一貫保冷・国際小口輸送」ネットワーク | |
(4) | 出荷から到着までを、シームレスに「デジタル情報化」 | |
→ | 送り手、受け手が共有できる「物流の見える化」 | |
(5) | 「受け手(調達)」、「送り手(供給)」双方のニーズを満たす | |
→ | 「デマンド・チェーン視点」の物流最適化 |
【参考[2]】「止めない物流」羽田CGの概念図
以上
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報道機関の方: | ヤマトホールディングス(株)広報担当:松浦、片桐(03-3541-4141)まで |