平成23年9月8日
公益財団法人ヤマト福祉財団

「東日本大震災 生活・産業基盤復興再生募金」
第1次の助成先を決定いたしました。


  公益財団法人ヤマト福祉財団(本部:東京都中央区、理事長:有富 慶二)は、東日本大震災で被災された地域の生活基盤の復興や水産業・農業の再生を支援する「東日本大震災 生活・産業基盤復興再生募金」の第一回「復興支援選考委員会」を8月24日に開催し、第1次の助成先を決定しました。

  第1次の助成は、7月末迄にお寄せ頂いた総額約46億円の寄附金の中から9件、約41億円の事業を助成いたします。なお、選考対象とした事業件数は27件でした。

  助成先の選考にあたった「復興支援選考委員会」の委員長である内田和成 早稲田大学大学院商学研究科教授/早稲田大学ビジネススクール教授は、次のように述べています。
  「第一回選考委員会の開催にあたり、選考委員一同で『見える支援・速い支援・効果の高い支援を目指す』ことを共通認識といたしました。その結果、各委員から非常に活発かつ率直な意見を多数頂戴し、意義深い委員会が開催できたと自負しています。被災地の皆さまは、生活基盤・産業基盤の一刻も早い復興に向け、あらゆる努力をされています。しかしながら現状は、支援や補助の対象外であったり、十分でなかったりすることから早期復興の目処が立たない事業が数多くあります。このように緊急性を有し、かつ公共性の高い事業に対して、その復興・再生のお役に立てるよう、今後も支援を継続して参ります。」

  助成先の選定に際しては、各委員から「具体的かつ、的確で、必然性の高い事業に対して、スピーディに資金を提供する」ことの重要性が強調されました。また、本活動が、資金を提供するだけではなく、事業を進めて行く過程も含め、いろいろな人がかかわる、復興モデルのシンボル的な存在を目指すべきである、という意義が確認されました。

  今回の助成については、9事業の内、6事業が水産関連事業となっており、単に漁獲量を上げるための支援にとどまらず、流通や加工と一体となった速やかな産業再生支援に寄与することが特徴となっています。主な助成先は以下の通りです。

宮城県が申請団体である「高鮮度水産物供給施設整備事業」は、県内5魚市場(気仙沼漁港、志津川漁港、女川漁港、石巻漁港、塩釜漁港)再開後の、鮮魚流通に不可欠な製氷機の設置を助成するものです。
   
今回の助成では最大規模となる岩手県が申請団体の「水産加工事業者生産回復支援事業」は、地域の基幹産業にもかかわらず、制度的支援も希薄な民間水産加工事業者の復興を目的に、生産機能を回復させるための機器類購入・設置等費用などの助成を通じて、速やかな事業再開を後押ししようとするものです。
   
福島県のすかがわ岩瀬農業協同組合(須賀川市、岩瀬郡鏡石町、天栄村の3市町村1万人の組合員を有する農業協同組合)が申請団体の「農業生産再生事業」は、被災した6箇所の農業倉庫を1箇所に集約・再編する改修費用を助成するものです。

  なお、2011年度における「東日本大震災 生活・産業基盤復興再生募金」の助成は、合計5次の応募期間を予定しており、現在、8月1日(月)から9月30日(金)の期間で第2次の応募を受け付け、10月中に助成先を決定する予定です。

  ヤマト福祉財団では、これからもヤマトグループの「宅急便一個につき10円の寄付」をはじめ、企業や団体、個人の方々からひろく寄附を募り、持続的な復興・再生支援の一助となるべく取り組んでまいります。

ヤマト福祉財団「東日本大震災 生活・産業基盤復興再生募金」
第1次助成先の決定について


1. 応募状況
 
(1) 応募事業件数 27件
(2) 事業総額 273億2,900万円
(3) 助成件数 9件
(4) 助成総額 40億8,300万円

2. 助成決定先
  第1次助成先は、以下のとおりです。
 
  申請団体 事業名 事業概要 助成金額
(単位千円)
1 宮城県 海底清掃資材
購入支援事業
底曳網漁船によるガレキ撤去のために開発された海底ガレキ回収装置で早期に漁場を再生するため、漁業協同組合等へ購入費用を助成する。 100,000
2 宮城県 高鮮度水産物供給施設
整備事業
魚市場の早期再開と鮮魚流通に必要な氷を確保するための製氷機購入及び設置費用等を助成する。 600,000
3 宮城県 養殖用資機材等
緊急整備事業
養殖業の早期復旧に向け、養殖業事業が必要とする養殖用資機材の整備及び設置費用等を助成する。 500,000
4 岩手県 水産加工事業者
生産回復支援事業
水産加工業者が必要とする機器類購入及び、設置費用等を助成する。 1,600,000
5 岩手県 魚価安定緊急対策事業 水産加工協同組合等に、需給調整能力の回復を図るための凍結・冷凍保管能力の確保費用を助成する。 403,000
6 特定非営利活動法人
よつくらぶ
よつくら港地域振興施設
「交流館」復興事業
いわき市四倉漁港の道の駅で、地域の農水産物の販売と地域情報の発信基地として年間60万人以上の人々が利用する施設の改築費用を助成する。 180,000
7 財団法人
ふくしま海洋科学館
「アクアマリンふくしま」
熱源設備改修事業
年間100万人が利用する地域観光の中心拠点であるいわき市小名浜の水族館「アクアマリンふくしま」の、基幹設備である水槽温度管理の熱源設備の改修費用を助成する。 80,000
8 すかがわ岩瀬農業
協同組合
農業生産再生事業 被災した六箇所の農業倉庫を1箇所に集約、再編することで地域農業の復興再生を図るため、改修費用を助成する。 255,000
9 南三陸町 水産業基盤施設緊急復興事業 魚市場、漁船、生産施設、加工施設の仮設を含めた早期復旧費用を助成する。 365,000

3. 「東日本大震災 復興支援選考委員会」委員
 
委員長
内田 和成 早稲田大学 大学院商学研究科教授/早稲田大学ビジネススクール教授
委員(五十音順)
家田 仁 東京大学 社会基盤学教授/土木学会副会長(震災担当)
小泉 武夫 東京農業大学 名誉教授/農学博士
野田 由美子 プライスウォーターハウスクーパース株式会社
/パートナー PPP・インフラ政府部門 アジア太平洋地区代表
林 春男 京都大学防災研究所 巨大災害研究センター教授

4. 助成対象事業
  東日本大震災による被災地の生活基盤の復興と水産業・農業等の再生支援を目的とした事業等全般に係るもので、以下の事業類型に相当すること
 
地方公共団体の直轄による事業
その他団体が従事し、地方公共団体が補助又は推薦する事業
その他団体が従事し、緊急性を要する公益性の高い事業

5. 寄附金の状況
  9月6日現在で、個人様・法人様合わせて32件、544万6,462円のご寄附をいただき、ヤマトグループからの「宅急便1個につき10円」の寄附 57億6,592万2,650円を合わせ、総額累計 57億7,136万9,112円となりました。

(ヤマト福祉財団「東日本大震災 生活・産業基盤復興再生募金」について)
「東日本大震災 生活・産業基盤復興再生募金」は、東日本大震災で被災された地域の生活基盤の復興や水産業・農業の再生を支援することを目的に創設されました。
具体的には、「東日本大震災復興支援選考委員会」の選考によって、被災地の生活基盤・産業基盤の復興再生支援をおこなう公的な団体、基金などに寄附・助成を行うものです。
1事業への助成は原則として1億円以上、20億円を限度とします。2011年度は合計5次の応募期間を予定しています。
また、当財団への寄附金につきましては、財務大臣から「指定寄附金」に指定されています。
なお、9月1日(木)より、クレジットカードでの寄附受付を開始いたしましたので、併せてお知らせいたします。

【本件に関するお問い合せ先】
公益財団法人ヤマト福祉財団 http://www.yamato-fukushi.jp/
  担当:早川・渡辺(03-3248-0691)までお願いいたします。


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