第 64号

平成18年2月1日
ヤマト運輸(株)

日本郵政公社に対する不公正取引差止請求訴訟における控訴について


  ヤマト運輸(株)(本社:東京都中央区、代表取締役社長小倉康嗣)は、日本郵政公社に対する独占禁止法第24条、第19条に基づく不公正取引差止請求訴訟(事件番号:平成16年(ワ)第20498号)において、平成18年1月19日に出された東京地方裁判所の判決を不服として、弁護士有賀正明氏、弁護士桑村竹則氏、弁護士大坪 麗氏を控訴人訴訟代理人として、本日、東京高等裁判所に控訴したことをお知らせします。
 
1. 背景
   当社は、日本郵政公社の宅配便市場における不公正・不公平な競争状態が続いていることを大変憂慮し、その不公正取引行為の差止めを求め、平成16年9月28日に東京地方裁判所に提訴しました。
  しかしながら、平成18年1月19日に言い渡された判決は「不公正な取引方法にはあたらない」と認定したものでした。この判決は、不公正取引・官業による民業圧迫などのない公正・公平な競争条件を求める当社としては、到底容認できるものではありません。
 従いまして、あらためて上級審による審判を仰ぐ必要性があると判断しました。

2. 控訴の概要
  (1) 第一審の判決を取り消す。
  (2) 日本郵政公社は、ヤマト運輸の宅急便取扱店であるコンビニエンスストアに対し、不当な利益をもって日本郵政公社の一般小包郵便物(ゆうパック)サービスの取次所となるよう誘引してはならない。
  (3) 日本郵政公社は、株式会社ローソンの直営店又は加盟店店舗を取次所として、日本郵政公社の一般小包郵便物(ゆうパック)サービスを提供してはならない。また委託締結の撤回を求める。
  (4) 日本郵政公社は、一般小包郵便物(ゆうパック)サービスについて、国土交通省に届け出た民間宅配便業者規定の料金未満で、サービスを提供してはならない。

3. 参考条文
  (1) 独占禁止法第19条(不公正な取引方法の禁止)
    事業者は、不公正な取引方法を用いてはならない。
  (2) 独占禁止法第24条(差止請求)
    第8条第1項第5号叉は第19条の規定に違反する行為によってその利益を侵害され、叉は侵害されるおそれがある者は、これにより著しい損害を生じ、叉は生ずるおそれがあるときは、その利益を侵害する事業者若しくは事業者団体又は侵害するおそれがある事業者若しくは事業者団体に対し、その侵害の停止叉は予防を請求することができる。
  (3) 不公正な取引方法
   
[1] 第6項(不当廉売)
  正当な理由がないのに商品叉は役務をその供給に要する費用を著しく下回る対価で継続して供給し、その他不当に商品叉は役務を低い対価で供給し、他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがあること。
[2] 第9項(不当な利益による顧客誘引)
  正常な商習慣に照らして不当な利益をもって、競争者の顧客を自己と取引するように誘引すること。

以上


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