運輸安全マネジメント
安全管理規程
一定の事業規模のある一般貨物自動車運送事業者は、安全管理規程を定め、国土交通大臣に届け出ることが義務付けられています。ヤマトグループの該当する事業会社も本法律に則り、安全管理規程を定めています。
安全管理規程に記載すべき項目は、「経営トップのコミットメント」「経営トップの責務」「安全方針等」「安全統括管理者」「要員の責任・権限」「情報伝達及びコミュニケーションの確保」「事故等に関する情報の報告等」「重大な事故等への対応」「関係法令等の遵守の確保」「安全マネジメント態勢を維持するために必要な教育・訓練等」「内部監査」「見直しと継続的改善」「文書の作成及び管理」「記録の作成及び維持」の14項目です。
法律が示す「経営トップのリーダーシップで、組織的・継続的に安全マネジメントを推進する」という考え方をヤマトグループも重視し、取り組みを進めています。
各社の安全管理規程および運輸安全マネジメント(Webで公開されているもの)
安全管理体制
安全管理規程に基づき、各社がそれぞれの安全管理体制を構築しています。
経営トップのリーダーシップのもと、運輸安全マネジメントの実効性が高まるよう、運輸の現場と管理部門とが連携をとり、組織的なマネジメントが行える体制を整備しています。運輸安全マネジメントを実施する各社では定期的にトップマネジメントレビューを行い、実績や成果を振り返り、問題点や課題を明らかにし改善をしています。
また、重大な運輸に関する事故等の重要な情報に関しては、ヤマトグループを統括するヤマトホールディングスに共有される仕組みを有しており、グループ全体で輸送の安全を推進しています。
ヤマト運輸:安全指導長制度
ヤマト運輸の安全戦略の基盤となるのは、1974年の導入以来、着実に当社の安全を支え続けてきた「安全指導長制度」です。
安全指導長とは各主管支店に配属された安全対策の専門職で、2020年3月現在、全国に366名。日々、管下のセンターを巡回しながら、法令の遵守、個人の運転レベルの向上、交通・労災事故防止の徹底に取り組んでいます。
ヤマト運輸だけでなく、他の事業会社においても「安全指導長制度」および同様の制度を設けている会社があります。各社の人数については、ESGに関するデータ類をご覧ください。
輸送の安全に関する目標及びその達成状況
ヤマト運輸
項目 | 2019年度実績 | 2020年度目標 |
---|---|---|
重大交通事故件数 | 2件 | 0件 |
重大労働災害件数 | 0件 | 0件 |
自動車事故報告規則に規定する 事故に関する統計
ヤマト運輸:2019年度自動車事故報告書提出実績
提出件数 | 事故累計別 | |||
---|---|---|---|---|
状態別 | 件数 | 事故種類別 | 件数 | |
23件 | 対自動車 | 2 | 転覆・転落 | 11 |
対二輪車 | 4 | 路外逸脱 | 3 | |
対自転車 | 0 | 火災 | 0 | |
対歩行者 | 2 | 踏切 | 0 | |
単独 | 15 | 衝突 | 4 | |
その他 | 0 | 死傷 | 3 | |
健康起因 | 1 | |||
車両故障 | 0 | |||
その他 | 1 |
安全管理施策
輸送の安全を確保するために、運輸安全マネジメントに沿った、グループ横断および各社独自の安全管理施策を講じています。
ヤマトグループ:交通事故ゼロ運動

ヤマトグループでは、海外事業会社を含めたグループ全体で、春と秋に「交通事故ゼロ運動」を実施しています。ヤマト運輸では、1970年から運動を継続しています。
「交通事故ゼロ運動」では、グループ全体の重点実施事項として、「業務運転中の交通事故防止」を掲げています。車両を保有する事業会社は、重点実施事項の推進のために、事業内容に応じた運動テーマを設定し、取り組みを進めています。
また、車両未保有のグループ会社についても、「労働災害の防止、社員の交通事故被害防止」などを重点実施事項として掲げ、各社独自の安全対策を策定しています。
期間中は毎日、事故発生の有無をグループ全体でとりまとめ、一定の期間ごとにグループ内に現状の共有を行っています。期間終了後には、事故発生の事業会社には原因の究明や再発防止の対策について検討を要請しています。これによって、年間を通じて、グループ全体の安全意識の向上を図っています。
ヤマトグループ:Gマーク(貨物自動車運送事業安全性評価事業)の取得
Gマーク(貨物自動車運送事業安全性評価事業)は、国土交通省が推進する「安全性優良事業所」の認定制度です。利用者が安全性の高い事業者を選びやすくする等の観点から、輸送の安全の確保に積極的に取り組んでいる事業所を認定します。国が貨物自動車運送の秩序の確立のために指定した機関(全日本トラック協会)が38の評価項目を設定し、同機関内の安全性評価委員会において認定します。
ヤマトグループでは、輸送の安全向上のために、積極的にGマークの取得を進めています。
各社の認証取得状況については、ESGに関するデータ類をご覧ください。
ヤマト運輸:年度計画の策定

ヤマト運輸では、運輸安全マネジメントを着実に実行していくために、年度ごとに輸送の安全に関する重点施策や年間計画を定めています。これらを全社員に周知することで、安全意識の強化と取り組みの実効性向上につなげています。
一例として、毎年の目標や取り組み内容などを記したポスターを作成し、全事業所に掲示しています。